積み木を使った具体的なサポートで息子が難題をクリアした話
子どもが、難しい問題にチャレンジしていたのに、それをさっさと諦めてしまったことはありませんか?
わが家には小学4年生の息子がいますが、夏休み前にこんなことがありました。
その頃、息子は学校の算数の授業で角度を習っていました。
初めて使う分度器がどうやら気に入ったようで、その日は家に帰ってから「自主学習ノート」にいろんな角度の図をかいて楽しんでいました。
そんなことをしているうちに、なぜか「正六角形をかいてみよう」と思いついたようでした。
そこで、定規と分度器を使ってしばらく試行錯誤したのですが、思っていたよりも難しかったようで、ノートに「やっぱりかけませんでした。」と書いて、さっさと諦めてしまいました。
私はというと、息子が試行錯誤している間、何か熱心に取り組んでいるなぁと思ってはいたのですが、何をしているかは見ないで他のことをしていました。
そして、しばらく経ってから、
「今日の自主学習は何したの?」と声をかけて、ノートを見せてもらいました。
するとそこには「やっぱりかけませんでした。」と書いてあるではありませんか。
せっかくいいテーマを見つけたのにもったいないなぁと思った私は息子に、
「なんで正六角形をかこうと思ったの?」と質問しました。
「今、角度の勉強をしていてね、なんか(正六角形が)かけそうだと思ったんだよ。でも、わかんなかったからやめた。」と息子。
そこで私はしばらく考えたあと、すぐ近くにあった正三角柱の積み木を6つ持ってきて、こんなふうに並べて見せました。
「正六角形って、こういうカタチだよね。丸に似てるよね。」
と私がヒントを出したら、
息子は途端にひらめいたようで、定規と分度器のほかにコンパスを用意して、正六角形をかくことに再チャレンジし始めたのです。
(ちなみに、私は積み木で正六角形を作った時点で、どうやって正六角形をかいていくのか分かっていませんでした…)
念願の正六角形をかくことができたあと、息子が実に満足そうな顔をしていたのが今でも印象に残っています。
子どもが難題に取り組んでいるとき、答えを教えてしまうのは子どもの思考を遮ることになってしまうでしょう。
でも、ほんの少しサポートすることで、子どもの思考を後押しできることが分かりました。
そしてサポートするときは、積み木を使ってカタチを示すなど、具体的なサポートの方が効果が高いのではないかと思いました。
難しい問題に出会ったとき、具体的なモノに置き換えてみると、途端に分かりやすくことは大人でもよくあることですから。
ところで、息子と私がいろいろとやりとりしている間、中学生の娘が自分の宿題をやりつつ、それを見ていたようで、
「それ(正六角形)ってコンパスだけでかけるよ!」
と自慢げに教え始めました。
息子はその手順の鮮やかさに唖然としてしまい、理解できなかったと思いますが、ほかにもやり方があるんだということだけは学んだようでした。
そんな学びも、あのとき諦めたままにせず、ほんの少しのサポートで難題をクリアしたおかげだと思っています。